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住まい・インテリア

2019年7月25日 (木)

狭小住宅の収納

いわゆる狭小住宅と呼ばれる住宅では、限られたスペースを有効活用して出来るだけ無駄なスペースを作らない工夫が必要となってきます。

建て主さんからも「収納を充実してほしい」とご要望が多いので、基本設計の段階でこのことを念頭においてプランニング(間取り)を検討し反映させていきます。

さらに収納に関しては、納戸やロフト(屋根裏収納)といった一室空間と造り付け収納(家具)といった小さなスペースとに分けられ、建て主さんのご要望や設計サイドからの提案、ご予算等を考慮してプランニングをしますが、このようなことは狭小住宅に限ったことではなく、どのような住宅でも同じです。

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狭小住宅の場合は、使い方をひとつに限らず兼用可能な収納スペースをつくることが、有効な手段と言えるでしょう。

例えば、玄関の下足収納と納戸を兼ねたり、クローゼットと納戸を一緒にしたり、ロフトを収納スペースとフリースペースとを兼ねたりすることです。

また、階段下のスペースや床の高さが違う小上がり下のスペース等も有効な収納スペースです。

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さらに、狭小住宅では構造壁ではない内壁は出来るだけ設けずに収納家具で間仕切ったり、収納家具を外側にはみ出させたプラン(間取り)により、内部空間に凹凸が無くなりスッキリとした空間が可能になります。

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収納スペースも収納するものによって必要な奥行きや幅、高さが異なるので、設計を進める前にどこに何を収納したいかをあらかじめ想定してご要望を設計サイドへ伝えておくことも重要ではないでしょうか?

 

2019年7月20日 (土)

都市型住宅の間取り

いわゆる都市型住宅とは、隣家が接近した比較的狭い敷地で、法規的にも建ぺい率、容積率をはじめ高度地区や防火指定など厳しい条件の場所に建つ住宅のことを呼びます。

このような条件の土地で間取りを考える場合、光の取り入れ方と風の抜け方をどうするかという点が重要になってきます。

また、家族団欒スペース(リビング・ダイニング・キッチンなど)とプライベートスペース(寝室、子供室など)と水廻り(浴室、洗面など)をどのように設計するかということも大変重要です。

住まいにおいて、一日で最も長く居る場所であるリビング・ダイニング(家族団欒スペース)は、採光と風通しが重要で、このスペースを1階にするか、それとも2階にするかが都市住宅の設計のポイントになります。

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これを決めるポイントは、まず建て主さんのご要望、建て主さんの家族構成と生活スタイル、敷地環境などが挙げられ、限られた広さの敷地においてカーポートの有無も間取りを考える上で、大きく関係してきます。

いずれの階に家族団欒スペースとしても、採光や風通しを確保するために外部空間である中庭、坪庭やバルコニー、テラスを設けたり、吹き抜けにトップライト(天窓)、ハイサイドライトを取り入れたり、スキップフロアにした間取りが良いでしょう。

また、都市型住宅の間取りでは、限られたスペースを無駄なく活用するために廊下のような通過するだけの空間を出来るだけ減らすことも有効でしょう。

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2019年7月16日 (火)

住みやすい家の条件とは

ひとくちに「住みやすい家の条件とは?」という問いかけに対して、私どものような設計事務所が回答する場合、その質問はとても難しいです。

なぜなら、設計事務所が設計する家は、建て売り住宅のような型にはまった家に住み手が合わせるような家ではなく、またハウスメーカーのように規格化された自由度の限られた狭い範囲でのオーダーメイド住宅でもない、いわゆる一品もの(オートクチュール)であり、二つとして同じ家はなく、その家に住んで生活する建て主家族にとって住み心地がいいと感じさえすればその家は「住みやすい家」であって、極端な言い方をすれば仮にほかの多くの家族がその家を住みづらいと感じたとしてもそれは全く問題ではないのです。

そもそも家というものは、場所、家族構成、生活スタイル、趣味などによって異なり、様々です。
10組の家族がいらっしゃれば、10通りの家が出来るはずで、唯一無二だと思います。

しかし、それでは「住みやすい家の条件」の答えにならないので、家全般における「住みやすさ」の条件を4つ挙げてみたいと思います。

・風通しが良いこと
・空間に明暗のメリハリがあること
・床や天井の高さや仕上げ材に変化があること
・明快に分離されたパブリックゾーンとプライベートゾーンであること

風通しが良いとは具体的にいうと、風の入口と出口を南北方向あるいは東西方向でつくることで、アルミサッシなどの外部建具だけでなく引戸などの内部建具も利用して風の通り道を作り出すことで住みやすい家になります。

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旗竿地のコートハウス

空間に明暗のメリハリとは、字のごとく明るい場所と暗い場所で空間の明るさにメリハリをつけることです。

建て主さんから「明るい家」というご要望が多いですが、すべての空間が明るい家はかえって落ち着かずむしろ住みにくい家です。

明るい場所と暗い場所があるから明るさが強調されるわけで、家の中にも暗い場所がなくては住みやすい家とはなりません。

また、窓をあちこちにたくさん設けてもただ無駄に明るいだけで、落ち着いた空間にはならず住みやすい家にはなりません。

つまり、開口部の位置と大きさは極力絞って効果的な明暗メリハリのある家が住みやすいと思います。

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三つの陸屋根を持つコートハウス

床や天井の高さに変化があるとは、高さに高低差を付けることと、仕上げを変えることの二つを指します。

建築基準法上、居室の天井高さは2.1メートル以上必要とあります。つまりトイレ、洗面室や廊下、納戸など居室でなければ2.1メートルの天井高さは必要ありません。

各スペースの天井高さをすべて同じにすると、空間にメリハリと変化がなく居心地が悪い住まいになってしまいます。

したがって、家族団欒のリビングは天井を高くしたり、吹き抜けをつくったりして天井仕上げを他とは異なる仕様にする一方で、廊下や個室、水廻りなどは、逆に天井高さを抑えることにより、リビングがより一層ゆったりして落ち着いた空間になって住みやすい家になります。

最後に、パブリックゾーン(家族団欒スペース等)とプライベートゾーン(浴室・洗面・個室等)が階やエリアではっきりと分離されている間取りは、一般的に住みやすい家と言えるのではないでしょうか。

 

2019年7月12日 (金)

京町家条例と京町家の定義

先日、京都に住む叔父から送られてきた京町家に関する資料の中に、京都市が発行している<京町家を未来へ>というタイトルの京町家条例のあらましをまとめた冊子がありました。

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その冊子によると、近年町家が老朽化のため取り壊されるケースが増えている一方で、京町家が見直されて居住や店舗としての需要が高まっているようです。
ただし、ひとくちに「京町家」と言っても間口が狭く奥行きがある古い家がすべて京町家というわけではありません。

この冊子によると、京都市が制定する京町家条例における「京町家」の定義というものがきちんと掲げられていて、必須条件としては

・昭和25年以前に建築されていること
・木造建築物であること
・「伝統軸組構法」や「伝統構法」と呼ばれる伝統的な構造であること
・3階建て以下であること
・一戸建てあるいは長屋建てであること
・平入りの屋根であること
があります。

上記のなかで特徴的な条件としては、最後の平入りの屋根でしょう。
ちなみに「平入りの屋根」とは、建物の出入口が屋根の棟と並行する側にあるもののことを言います。

これらの必須条件とさらに下記のいずれか1つ以上を有する建築物が「京町家」と呼ばれるそうです。

・通り庭(道に面した出入口から続く細長い形状の土間)
・火袋(通り庭上部の吹き抜け部分)
・坪庭または奥庭
・通り庇(道に沿って設けられた軒)
・格子(伝統的な虫籠窓や京格子など)
・隣地に接する外壁または高塀

私自身、何度も京都を訪れて京町家を見てきましたが、京町家という建物がこのような定義付けをされていたとは知りませんでした。

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2019年7月 9日 (火)

京町家保全のための木製雨戸

京都に住む叔父から京町家に関する新聞記事や冊子が送られてきました。

その中に、興味深い新聞記事が。

京町家の意匠と耐火性の両面を兼ね備えた延焼防止機能のある木製雨戸が開発されたらしく、京都市独自の基準で、京町家の木製窓枠を残すことが可能になったという内容でした。

やはり、京町家にアルミサッシは似つかわしくないし、シャッター式雨戸は、もっと似合わない。

こういう雨戸は京都だけでなく、日本全国で使えるように法改正してほしいものです。

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2019年7月 5日 (金)

旗竿地の活用

まず、<旗竿地(はたざおち)>とはどういう土地なのか、を説明したいと思います。 

「旗竿地」、または「敷地延長」略して「しきえん」ということもありますが、間口の狭いまるで竿のようなアプローチの奥まった先に旗のような形状の土地をこのように呼びます。 

広い敷地であっても、道路に面する部分の長さが奥行きと比べて少ないような宅地を分割する場合にこのような「旗竿地」はよく見かけられ、不動産広告でも多く目にします。

このような旗竿地の場合、幅員4メートル以上の建築基準法上の道路と接する竿部分の幅の長さは、建築基準法上少なくとも2メートル以上必要ですが、多くの場合2.5メートル以上は確保されています。
それは車を置くスペース、つまりカーポートとしての役割りを兼ねていて、一般的には駐車スペースの幅は2.5メートル以上必要だからです。

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旗竿地のコートハウス】 

不動産的価値から言うと、旗竿地はほとんど土地の四方を隣家に囲まれていて、しかも敷地形状からも竿の部分が長いため上下水道やガス、電気などといったインフラ設備の道路からの引き込み距離が長く、その分余計に建設設備工事費がかかってしまうので、敷地条件としてはあまり良いとは言えず、土地の価格も決して高くはなく、むしろ周辺相場よりも安いことが多いです。 

したがって、旗竿地の有効活用として建物本体や外構部分により多くの費用を充てることが可能です。
また、旗竿地における間取りの工夫としては、四方が隣家に囲まれているので、採光はトップライト・ハイサイドライトや吹き抜けといった上部から取り込むようにし、中庭や坪庭といった建ぺい率に含まれない外部空間としての光の井戸を配置することによって特に1階部分の採光を確保することが有効な手段です。

さらに、敷地の竿部分もカーポート以外に草木などの植栽を施し、石畳や飛び石、枕木などで玄関アプローチを演出して緑豊かな防犯性の高い外部空間にすることも旗竿地ならではの有効活用ではないでしょうか?

2019年6月25日 (火)

「三つの陸屋根を持つコートハウス」6ヶ月点検

先週末の土曜日、昨年末に引き渡した「三つの陸屋根のあるコートハウス」へ6ヶ月点検に伺い、4月下旬に植栽工事をおこなった樹木の様子も確認してきました。

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この住宅が建つ地域は、条例により敷地面積の10%以上を緑化することが義務付けられているため、今まで私が設計した住宅の中で最も植栽が多い住宅になりました。

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設計段階から建て主さん、造園業者、工務店と私の四者で打合せを重ねて樹木の種類、本数、配置場所など決めました。

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その結果、中庭にはシマトネリコとヤマボウシを、玄関アプローチには、オリーブ、月桂樹、オタフクナンテンを植え、そのほかにカラタネオガタマ、ヤマモモ、ホンサカキ、イロハモミジ、ハナミズキ、垣根としてキンモクセイを植えました。

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玄関ホールの大きな窓からも中庭の緑が見えるようなプランになっていて、ちょうどヤマボウシの白い花が咲いて綺麗でした。

この中庭は、浴室にも面しているので、浴室からもこの緑が楽しめます。

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また、階段の前の縦長窓からは、ヤマモモの木が見えて赤い実が成っていました。

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一方、和室の窓からイロハモミジが見えるように配置しました。

今は青もみじですが、秋になると見事な紅葉になるでしょう。

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今回、一定の割合の樹木を植える必要があったので、道路を行き交う人たちや近隣に住む人々だけに対してもそうですが、これらの緑を建て主さんも室内に居ながら見て楽しめるように中庭と窓の位置や大きさを検討して、どういう樹木をそれらの窓から見るのかを決めました。

建て主さんもしばらくの間は、植栽が無く殺風景な状況での暮らしでご不便をお掛けしましたが、四月に植栽工事が無事に行なわれたお蔭で、建て主さんも大変喜んでくださいました。

6ヶ月点検のほうも、外部廻りから内部まで目視をしてチェックしていき、ほとんど問題はありませんでした。

お邪魔した当日は雨が心配でしたが、朝イチに伺ったので、運よく雨にも遭わず点検と植栽の確認が出来て良かったです。

2019年6月20日 (木)

設計事務所設立記念日

本日6月20日は、設計事務所の設立記念日です。
なんだかあっという間に年月が経ってしまいました。

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思い起こせば2001年のこの日に設立し、写真にある「中庭のある平屋住宅」を独立後はじめて設計監理を行いました。
ロの字型プランのコートハウスで、5.4メートル角の中庭にシンボルツリーとしてヒメシャラを植えました。
壁面に埋め込まれた円形ガラスブロックは、この住宅が21世紀元年に竣工することに因んで21個配列されています。

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私にとって、この住宅が設計の原点です。

2019年6月17日 (月)

間接照明の効果

昨年末に竣工した「三つの屋根を持つコートハウス」の照明器具は、ほぼダウンライトで計画をしましたが、空間演出を考慮して何箇所か間接照明にしました。

一箇所は玄関ホールで、白い壁面に柔らかい光が当たります。

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二箇所目は、和室の床の間。

下り壁に光が当たって、左官仕上げの壁面に光のラインが美しい落ち着いた和室空間にしました。

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三箇所目は、リビングの吹き抜け部分。

ワンルームのダイニングとリビングは天井高さが異なり、天井の仕上げ材も異なっています。

そこで、天井面が変わるところに間接照明を組み込んで、吹き抜けになっているリビング壁面を柔らかい光で演出しました。 

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2019年6月12日 (水)

空間を広く感じられる方法

限られた空間をより広く感じさせる方法はいくつかありますが、日頃私が住宅の設計で意識していることは、「視線の抜け」です。

<視線>を<空間>と置き換えて「空間の抜け」と言ってもいいかも知れませんが、視覚的な距離を長くすることにより広く感じさせる方法・手段です。

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【旗竿地のコートハウス】

例えば上の写真をご覧ください。
ダイニングからリビング越しに屋外のデッキテラスまで対角線的に視線が抜けていて、そのデッキテラスから明るい光が差し込んで広く感じられます。さらに天井の高さと仕上げに変化を与え、視覚的に単調で間延びしない空間となるように工夫しています。

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【中庭のある平屋住宅】

また、中庭のある家(コートハウス)では、外部空間である中庭を介して内部空間と一つの空間と見なして広く感じさせる手法もあります。この場合、内部の床と外部の床をタイルなど同じ素材で統一し、床面からの大きな開口部(ガラス窓)にすることが視覚的にもより効果的です。 

以上の二つの方法は、水平方向(横方向)における「広く感じさせる方法」ですが、もうひとつ垂直方向(縦方向)のそれが<吹き抜け>です。 

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【木造三階建て二世帯住宅】

しかし、吹き抜けといってもただ天井が高く広ければ良いというわけではなく、吹き抜けと繋がっている空間の場所と広さ、天井高さとのバランス(メリハリ)が大切で、このバランスによって広く感じることが出来るのです。 

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