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住まいづくりのヒント

2020年1月25日 (土)

玄関土間収納と動線

4年ほど前に設計監理をした「旗竿地のコートハウス」ではシューズボックス、いわゆる下足収納と呼ばれる家具はありません。

その代わりにシューズクローゼットというスペースを1.5畳ほど設けました。

オープンな可動棚になっていて、簡単に棚の位置を変えられるようになっています。

シューズクローゼットと言っても靴だけでなく、傘、ご主人の趣味である釣具、ベビーカーなどいろいろなものが置けるミニ納戸の役割りも持っています。

さらに動線を考慮し、シューズクローゼットの奥にも引戸を設けて、奥様が買い物から帰宅した際に靴を履いたまま荷物を持ってキッチンまで運べるように床を玄関と同じく土間コンクリートにしました。

おかげさまで、建て主さんからは「機能的で使いやすくて便利です。」という感想をいただきました。

現在、基本設計中の住宅でもシューズクロッゼットのような土間収納を玄関の隣りに設けたプランを検討してます。

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2020年1月 9日 (木)

狭あい道路とセットバック

狭あい道路について実は法律上の定義がなく、行政機関では主に幅員4メートル未満の建築基準法第42条第2項(第3項)の指定を受けた道路をさします。

このような幅員4メートルに満たないいわゆる狭あい道路に接した土地に建物を建てる場合、注意が必要です。

それは「セットバック」で、日本語に直訳すると「後退」です。


つまり、土地に接する建築基準法上の道路が幅員4メートル未満(法42条2項道路)の時には、少なくとも道路境界を道路の中心から2メートル後退させた位置とし、セットバックした部分は道路と見なされるため、その部分に建物を建てることが出来ません。


ではなぜ、セットバックしなければいけないのかというと、大きく2つの理由があります。


1つは、火災等の緊急時の際に消火活動を行う緊急車輌が通行可能な安全性の確保のため、もう一つは、良好な住環境に不可欠な採光(日照)と通風(風通し)の確保のためです。


したがって、セットバックした部分は敷地面積から除かれるため建築可能な敷地面積は少なくなり、この敷地面積をもとに建ぺい率や容積率等の建築基準法上の範囲内で建物の設計を行うことになります。


さらに、セットバックが必要な土地では、セットバックするための工事費用が別途かかってしまうことも考慮しなければなりません。


ただし、この工事費用は行政機関によっては、助成制度が設置されている場合もあるので、ご確認ください。


ちなみに私の事務所がある練馬区ではこの助成制度がありますので、詳しくは練馬区役所ホームページをご覧ください。


以上のことから、これから土地を探される方やセットバックが必要な土地の購入をご検討中の方は、上記の内容を念頭に入れておいたほうが良いでしょう。

Kyouaidouro

 

2020年1月 6日 (月)

設計事務所開設20年の節目

明けましておめでとうございます。

本年もどうぞ宜しくお願いいたします。

2020年は東京オリンピック・パラリンピックの年です。

私どもの設計事務所も開設20年という節目の年でもあります。

ここまでやって来られたのも、多くの方々のお蔭です。

改めて、御礼を申し上げます。

どうもありがとうございます。

これからもコツコツゆっくりと建築の設計監理をおこなってまいります。

 

一級建築士事務所 三浦尚人建築設計工房

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2019年12月23日 (月)

室外機の設置場所

住宅を設計していく上で、エアコン室外機や給湯器などの設置場所も念頭においておかなければならない重要な部分です。

最近はオール電化住宅やエコキュート住宅なども増えてきていて、それらの室外機サイズも大きく設置場所も基本設計の段階で十分検討しておかなければなりません。

通常の住宅地の場合、道路側を除く三方は隣家が接近していて道路面からは見られにくいので、だいたいそれら三方に室外機を設置するケースが多いですが、近年では音の問題もクローズアップされているので、この点も十分考慮しなくてはいけなくなってきています。

屋上やベランダ、バルコニーに置いたり、建物本体の一部に室外機用のスペースをあらかじめ確保したプランにするケースもありますが、いずれにしてもこれら室外機を道路から見えにくい位置に設置することが設計する上で大事なことです。

しかし、住宅街を歩いているとエアコン室外機が道路側に無神経に堂々と置かれているのをよく見かけます。

こう言ってはなんですが、大体そういう家は建売住宅かあるいは大手ハウスメーカーの住宅によく見られるような気がします。

道路側にエアコン室外機が置かれているということは、すなわち室内のエアコン本体から室外機につながっているダクトも丸見えとなって、なんともみっともない気がしてしまいます。

せっかくの家がこれでは台無しです。
こういったところにも気を配りつつ住宅の設計というものはしなければいけないと私は考えます。

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2019年12月12日 (木)

深い軒のメリットは?

深い軒のメリットは、大きく分けて二つあると考えます。

ひとつは、夏の時期における強い日差しが屋内に入るのを遮るというメリットです。

いくら日当たりがいい家でも、夏の強い紫外線が屋内に入ると、床のフローリングも色褪せて痛みやすく、家具等のインテリアにとっても良いことはありません。

夏は太陽高度が高いため、ある程度の長さ軒を出せば屋内への日差しは防ぐことが出来ます。

しかし、直射日光が入る方向に強い日差しを遮る樹木や建物が無いと、太陽の強い日差しは屋内に入り込んでしまいます。

そのような点から、深い軒の出があることで夏場の強い日差しの進入を防ぐことが出来ます。

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深い軒のもうひとつのメリットは、外壁材を保護するという点が挙げられます。

外壁材がガルバリウム鋼板やセメント系サイディングといった乾式工法の場合は、耐久性があるのでそれほど軒を出す必要性はありませんが、外壁材がいわゆる湿式工法のモルタル下地の吹き付け仕上げや左官仕上げや乾式工法の中でも杉板などの木製板材を貼った建物では、乾式工法による外壁よりも耐久性がなく、定期的にメンテナンス(補修)を行わないといけないので、外壁を直射日光や雨などから守るために深く軒を出すことが有効な手段なのです。

また他に意匠的にも深い軒がいい点もあります。
それは、建物全体に深い軒により陰影を付けたり、建物の水平性を強調したりする効果もあります。

以前、私が設計した写真にある「中庭のある平屋住宅」でも真っ直ぐな深い軒を出して水平性を強調しつつ、軒の下に設けた欄間のような横長のスリット窓からは、夜に屋内の光が漏れて、それがシルバー色に塗装された軒天に反射して光が柔らかく行灯のように表現したくデザインしました。

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2019年12月 6日 (金)

土間空間の活用術

土間空間とは、昔は床仕上げをせず、地面の土をそのまま露出して三和土にする空間を意味し、京町家をはじめ地方の古民家などでよく見かけられました。

ただ最近では、三和土ではなくコンクリート金ごて仕上げ、石貼りやタイル貼り、玉砂利の洗い出しなどといった仕上げの土間空間がよく見られますし、私の設計事務所でもそれらをよく採用しています。

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写真にある土間もタイル貼りの玄関土間となっていて、玄関によくある上り框(靴を脱ぐ段差)をあえて設けませんでした。

この住宅は地方都市にあり、ご近所付き合いの多い建て主様で、来客が頻繁にいらっしゃるのですが、この広い玄関土間は靴のままで良いので、このスペースにテーブルと椅子を配置してちょっとしたサロンのような感じをイメージして設計しました。

そして玄関の左側には、玄関土間と同じタイルが貼られた広い中庭があるので、来客とのお喋りも中庭を見ながら楽しめるように演出をしました。

そのほかにも玄関土間がある住宅では、建て主の趣味である自転車を室内である土間空間に置くことにより、大切な自転車を風雨や盗難から守ると同時に、室内でのメンテナンスが可能になったりと便利な空間です。

また赤ちゃんのいらっしゃるお宅ではベビーカーを、ご高齢の方がいらっしゃるお宅では手押し車等のスペースとしても有効活用出来る空間となります。

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2019年11月27日 (水)

南側道路の土地のプライバシー対策

不動産のチラシ広告でよく見かける「日当たり抜群の南側道路の土地」という謳い文句。 

確かに文字通り南側に道路があり、少なくとも道路幅(幅員)だけ隣家と離れているので、日当たりの良い家が建てられます。 

しかし、南側道路の家では、日当たりのことだけでなく同時にプライバシー対策も考慮しないといけません。 

何故かというと、日当たりの良い内部空間にするには、日の光を取り込むための大きな開口部(窓)が必要ですが、道路に面する南側に大きな開口部を設けると道路から内部が覗かれてしまう恐れがあるからです。 

住宅地を歩いている時によく見かける光景として、せっかく日当たりの良い南側道路の土地に建っている家なのに、道路から家の様子が丸見えになることを気にして昼間にもかかわらず大きな窓にカーテンが閉め切っている場面があります。 
日当たり良くするための大きな窓を設けたのに、光を遮るカーテンで一日中閉めてしまっては台無しです。 

したがって、南側道路の土地に建てる家では、プライバシー対策がたいへん重要になります。 

そのプライバシー対策には、大きく分けて二つ方法があります。 

ひとつは、室内の様子が道路から見えないように、道路境界線上に植栽による垣根や目隠しフェンス、塀等を設置するといった外部廻り(外構)で行う方法です。 
ただし、これらは単体で考えるのではなく、住宅(建物)と調和の取れた統一したデザインにすることで違和感なく街並みにも溶け込みます。

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もうひとつは、南側道路に面した大きな開口部の手前に目隠し用の格子(ルーバー)や壁で囲われた屋外テラス(ベランダ、バルコニー)を設けたり、開口部ガラスを透明ではなく擦りガラスにしたり、あえて道路側に大きな開口部を設けず縦長や横長の窓を道路側からの視線と高さをずらした位置に配置するなど家本体で行う方法です。

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しかし、最も効果的なプライバシー対策は、上記の二つの方法を合わせて行うことです。

2019年11月22日 (金)

住宅における風通しの確保

住宅設計において採光と同時に大切なのが、風通しです。 

風通し、つまり屋内における風の通り道を確保するためには、風の入口と出口が必要です。 

したがって、一室に採光も考慮して開閉可能な開口部(窓)を対角に二箇所設けること、さらに南北の方位で風通を確保出来ることが理想的です。 

または、廊下等を介して開閉可能な欄間やガラリ付きのドア・引戸といった建具を設けることにより、複数のスペースで風の通り道を確保したり、坪庭や中庭といった外部空間を設けてそこを介して通風(採光)を取る方法もあります。

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このように平面(プラン)で風通しを確保することが大きなひとつの考え方ですが、特に都市部のような住宅密集地つまり隣家が接近している場所では、横方向の平面で風通し(採光)を確保することは容易でないことが多いので、風通しを確保するための有効な方法として断面つまり縦方向があります。 

平面が横方向というのに対して、断面が縦方向という考え方です。

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では、具体的に断面で風通し(採光)を確保する方法としては、階段や吹き抜けといった縦空間に開閉可能なハイサイドライト(高窓)やトップライト(天窓)を設けたり、開放的な屋根裏部屋(ロフト)に窓を設けることです。 

建築空間は三次元なので、風通しと採光を検討するためには二次元の図面だけではなく、三次元の模型が重要な役割りを果たすので、設計事務所では必ず模型を製作します。

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2019年11月 6日 (水)

コートハウスの採光と通風

中庭のある家、いわゆる「コートハウス」と呼ばれる家を設計する上で、中庭からの採光(通風)が重要なポイントになります。 
 
一般的な住宅地は隣家が接近し、しかもそれらの隣家は2階建てあるいは3階建ての家がほとんどで、接近している隣家側の外壁面にいくら大きな窓(開口部)を設けても採光は期待出来ずむしろプライバシーが保てられないというデメリットのほうが大きくなります。 

一方、中庭のある家は隣家から距離を取り、プライバシーの守られた外壁面に設けた窓から採光を確保することが可能で、特に1階部分への採光が効果大です。

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つまり、中庭を<光の井戸>として考え、とかく暗くなりがちな1階へ上からの光を注ぐことが有効です。 

もちろん、1階へ光を注ぐ方法は他に吹き抜けやトップライト(天窓)などもありますが、住宅地のように建ぺい率が50%前後と厳しい場所では、中庭を介して採光(通風)を確保する考え方は都市型住宅で有効だと考えます。 

1階を家族団欒のスペースであるリビング・ダイニングとしたプランでも、1階に個室や浴室などのプライベートスペースを配置したプランでもそれらのスペースを中庭に面したプランとすることで採光とプライバシーを確保出来ます。 

また、中庭の位置も日当たりのいい南面に配置するという考えだけでなく、直射日光は期待出来ないですが日中一定の明るさがある北面に設けるという選択肢も有効です。

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したがって私の設計事務所では、このような中庭のある家「コートハウス」を多く設計監理しています。

よろしければ、ウェブサイト内にございます「コートハウスのススメ」をご覧ください。

2019年10月23日 (水)

啓明学園「北泉寮」を見学

先日、拝島にある啓明学園の「北泉寮」を見学してきました。

毎月1回、平日の午前中のみ公開という限られた機会だったのですが、ようやく来ることが出来ました。

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この建築は、肥前佐賀最後の藩主鍋島侯爵の自宅一部を三井家十代目三井八郎右衛門高棟が買い取り、拝島別荘として移築したものです。

その後、三男で当学園の創立者である三井高維へ寄贈されて、学生寮や教室として使用されてます。

それにしても、このような木造建築が学校の敷地内にあることが不思議で、また素晴らしいです。

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さらに学園の正門は、なんと数寄屋造りで北山杉の網代天井でした。

以前は三井家の別荘だったため、このような立派な屋敷門があるわけですが、そのまま学校の正門として使い続け、生徒は毎日この数寄屋門をくぐって登下校しているそうです。

生徒さんたちは、羨ましい。

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開口部が多く取られた南面の外観です。

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北側の玄関廻りも趣向を凝らした建具があります。

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内部階段にも大きなぎぼし。1階部分は、和室と洋室が隣り合わせに並んでいました。

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洋室の天井は高く、屋久杉の板を市松模様に貼った格天井に当時のままの照明器具が付いていました。

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1階の南側は、引戸と欄間ともにガラス面が多く庭の樹木と芝生の緑が見渡せました。

2階へ上がると1階とは大きく異なり、畳の間が続く大広間が目に飛び込んできました。

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洗面台と化粧台を合わせた、まさに洗面化粧台が畳の間にあり、大変興味深かったです。

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擦りガラスの使い方も洒落ています。

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見どころ満載で写真もたくさん撮ったのですが、ここでは紹介しきれません。

凝った意匠が散りばめられた、見応えのある和洋折衷の近代的和風建築で、今回見学出来て本当に良かったです。

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しかし、この建築は移築して90年以上が経ち、老朽化が進んでいるため、残念ながら定期的に実施されてきた一般公開も今年度末で終了とのことだそうです。

より以前の記事一覧